トウリハウジング通信 5月号

公開日:

更新日:2022/05/28

カテゴリー: トウリハウジング通信


管理費・修繕積立金で3ヶ月以上の滞納者がある分譲マンションは24.8%。

これは国土交通省が5年ごとに行っている「2018(平成30)年度マンション総合調査結果」によるデータです。調査したマンション管理組合の約4分の1で管理費・修繕積立金の滞納があると回答しています。この数値は調査した管理組合の平均値で、築10年未満の比較的築浅のマンションでも既に12.9%で滞納が発生していて、築後40年以上経ったマンションに至っては34.9%で滞納がありました。しかもその内の約3分の2の管理組合では1年以上の長期滞納者がいたということです。

多くの方がルールを守って管理費・修繕積立金を支払っていても、一部の滞納者のために健全なマンションの運営ができなくなってしまいます。当然、マンション管理組合としては早めの対応をしていると思いますが、滞納された管理費等は支払い時期から5年を過ぎてしまうと時効で請求できなくなってしまいます。このような書き方をすると誤解があるかもしれないので、訂正します。正しくは、5年以上経っている滞納でも管理組合は滞納者に支払いを求めることはできるのですが、滞納者から「5年以上経っている部分は時効」と主張されると請求できません。ですから仮に時効を過ぎた滞納であっても滞納者が管理組合の請求に応じて支払うものは有効です。

先ほど時効は5年と書きましたが、この時効をなくすことはできません。しかし時効を止めることはできます。これを「時効の中断」といって、それまで進んでいた時効が終わって、そこから新たに次の時効に向かって進み始めるということです。ですから長期滞納者のいる管理組合としては時効を中断させながら、滞納金の回収をしていかなければならないことになります。
時効を中断させる方法としては、承認、請求、差押え・仮差押えなどがあります。

「承認」は例えば、滞納していることを認める書面を作って、それに署名・捺印してもらう、或いは一部でも良いので支払ってもらうなどです。
「請求」は、滞納者に支払いを求めることです。これは法律に則った請求のことで、訴訟や裁判所を通じた支払督促のことで、管理組合から内容証明郵便で支払いを求める催告をすれば時効は中断というものではありません。催告で時効が中断するのは一時的なもので、催告をしてから6ヶ月以内に訴訟などの法的な手続きをしなければならず、もし法的な手続きをしなかった場合には時効の中断はなかったものになってしまいます。ちなみに、国土交通省が作成した標準管理規約を利用している管理組合では、臨時総会など開催しなくても、理事会の決議で訴訟などの法的措置ができることになっています。
滞納額が60万円以下だった場合、通常の訴訟ではなく、審理が1日で終わる少額訴訟制度を利用する方法もあります。

短期間、かつ費用も少なくて済むので、利用件数が増えています。

しかし少額訴訟で勝訴の判決、つまり滞納者に対して滞納額を支払うよう判決が出たとしても、滞納者が滞納額を支払わなければ管理組合の苦労は無意味になってしまいます。その時は判決に基づいて滞納者の所有する部屋を競売にかけて、強制執行ということになりますが、先ほどもお伝えした通り少額訴訟制度を利用する場合は、滞納額が60万円以下の場合です。この金額を回収するために、数千万円に及ぶマンションを競売にするのはやり過ぎではないか、と裁判所が判断したら、競売申し立ては却下されます。競売は他の方法によって回収ができない、或いは今後の支払いの可能性が著しく低いなどの事情が必要になります。

また滞納者が住宅ローンや不動産投資用のローンを組んでいる場合、その残債があれば滞納者の不動産登記簿には抵当権が設定されています。

管理組合には優先的に管理費の滞納額を取得する権利が認められているのですが、抵当権が設定されている場合には、抵当権が優先されてしまいます。そうなると、競売の売却価格がローンの残債より少ない場合、管理費の滞納額は回収できないことになります。滞納者が所有する部屋を競売によって売却しても、管理組合に回収の見込みがないなら、管理組合が滞納者の不動産を競売にかける意味がないので、この場合も裁判所から競売の申し立てが却下される可能性が高いです。

管理組合としてはまず滞納者とよく話し合って、それでもダメだったら、督促、調停、預貯金口座の差押、不動産競売などの法的措置を検討していった方が良いと思います。


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ぜんぷくのつぶやきコーナー

現在、私が住んでいるのは埼玉県ですが、先日【固定資産税・都市計画税】の納税通知書が届きました。毎年この時期は、自動車税など、まとめて請求がくるので大変です。この固定資産税、地租(土地に対する税金)や家屋税(住宅に対する税金)として明治時代から存在はしていましたが、米国統治下の1950年(昭和25年)にアメリカの財政学者カール・シャウブ氏の提言により、地租や家屋税を統廃合して現在の形に整備されました。一方、都市計画税は都市計画事業や土地区画整理事業に要する費用に充てられる目的税として、各地方自治体の裁量で徴収の有無や税額が決められています。2021年度(令和3年)の固定資産税の税収は9兆0628億円に上り、地方税収の収入(総額38兆3448億円)において、約23.6%もの割合を占めています。(総務省公表の国税・地方税の税収内訳)


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