電柱の敷地利用

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前回の続きです。
公道に敷設されている電柱は、その土地を所有する国、自治体などから占有権を取得して設置しているのですが、私道や住宅などの敷地に電柱が入っている場合は、その所有者から承諾を得なければなりません。

しかし、途中で土地所有者が変わった時は、事業者は毎年調査をしているのではないので土地所有者が連絡をしなければ、そのままになってしまいます。

理由は電柱の数にあります。電柱は全国でみると約3,600万本(平成30年度)あって、そのうちの約3分の2の2,200万本が東京電力などの一般送配電事業者で、残りがNTTなどの通信事業者が所有しています。仮に電柱がある土地3,600万件の所有者謄本を毎年1回取ったら、費用の安い所有者事項を取得したとしても50億円を超えてしまします。

ですから、所有者の方から変更の連絡をしなければならないわけです。

もし、皆様のご自宅の敷地内あるいは持分を持っている私道内に電柱が立っていると思われる方は、電柱の所有者に電話をして確認してみて下さい。

電柱

連絡をすると、所有者を調べて変更になっていることが確認できれば、書類を送ってくれます。

承諾料は、電柱1本に付1年間1500円程で、私道など持分所有していれば1500円に持分をかけます。だいたい3年分くらいまとめて振り込んでくれます。

電柱の中でも町会の街灯などは行政が所有して管理を各町会に任せていて、町会は使用料を支払っていないことが多いです。ですからすべての電柱に承諾料が発生するわけではありません。

先日、弊社が購入した土地の前面の私道には9戸の家が面していて、その土地所有者9人の共有持分になっていました。私道の中には東京電力の電柱もNTTの電柱も町会の街灯も別の通信会社の電柱も入っていました。

所有権移転後さっそく各社に電話をして所有者の変更をお願いしたところ、東京電力もNTTも9人の持分ではなくその前の所有者(1名の単独所有)のままになっていました。9人の持分所有になってから何年も経っているので、東京電力とNTTは土地所有者でない人にずっと使用料を支払っていたことになります。

さっそく両社に調査をしてもらって、現在私道を所有している9人に使用料入ることになりました。

ところで、もうひとつの通信会社にも連絡をしたのですが、その会社は使用料を支払っていなかったようです。

弊社が連絡してから、1ヶ月と経たないうちに通信会社の電柱は私道からなくなっていました。