トウリハウジング通信 2024年1月号

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被相続人の居住用財産を売った時の特例

相続した空き家を利用する予定がない、現金化して相続人の間で分配する、などの理由で売却することがあります。しかし、売却して「売却金額」から「取得費」と「譲渡費用」を引いた差額(譲渡益)がある場合、譲渡益に対して譲渡所得税がかかります(取得費とは、不動産の購入価格や購入時の手数料など、不動産の取得にかかった全ての費用のことです)。

相続した不動産の購入価格は、被相続人(亡くなった方)が何十年も前に購入している場合には、売却した価格より大幅に安い場合があります。また購入時の売買契約書がなく、購入価額が不明な場合や取得費が売却価額の5%を下回る場合は、取得費を売却価額の5%として計算します。そうなると譲渡益がとても大きな金額になって、高額の譲渡所得税を納付することになることは珍しくありません。そんなとき、譲渡益から3,000万円を控除できる制度があります。これは「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」と呼ばれる制度です。

適用期限は2023(令和5)年12月31日までだったのですが、4年間延長されて、2027(令和9)年12月31日までになりました。そして2024(令和6)年1月1日以降に空き家を売却する場合は、一部取扱いが変更されます。この制度を利用することで、支払うべき税金を大幅に減らすことが可能ですが、この制度は全ての空き家が対象となるわけではありません。適用を受けるには主に以下の条件を満たす必要があります。

1. 被相続人が相続直前に1人で住んでいたこと
2. 昭和56年5月31日以前に建築された住宅(旧耐震)であること
3. 区分所有建物でないこと(マンションには適用できません)
4. 相続により土地と建物の両方を取得していること
5. 相続してから売却するまで居住や賃貸などの用に供さないこと
6. その空き家がある市区町村長から「被相続人居住用家屋等確認書」の交付を受けること

この制度は、全国的に問題となっている空き家問題の解消や住宅市場の活性化を目指したものです。上記の条件を満たした上、さらに建物を取り壊すか、耐震リフォームをして引き渡すと、特別控除として利益から3,000万円を差し引くことができます。昭和56年5月31日以前に建築された古い建物が対象になるので、現実的には耐震リフォームをするより建物を取壊して、更地にする方が多いです。この制度の適用を受けるには相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要がありますが、2024年から要件が一部変更になっています。そこで今までの要件と2024年に変更になる部分を比較して記載します。

1. 譲渡の日までに住宅を取り壊すまたは耐震リフォームを施すこと(2023年12月31日まで)

⇒ 2024年1月1日以降の取扱い

現状で譲渡した後、譲渡の日の翌年2月15日までに住宅を取り壊すまたは耐震リフォームを施すこと。今までは売主が建物の取り壊しまたは耐震リフォームを施さなければなりませんでしたが、譲渡の日の翌年2月15日まで延びたことによって、買主も建物の取り壊しまたは耐震リフォームをすることができるようになりました。

2. 相続人1人につき3,000万円控除されます(2023年12月31日まで)

⇒ 2024年1月1日以降の取扱い

空き家を相続した相続人が3人以上の場合、控除額は相続人1人につき2,000万円に引き下げられます。

上記の2024年1月1日以降の取り扱いというのは、2024年1月1日以降に相続した空き家に対して適用される変更で、それ以前に相続した空き家には適用されません。その他の条件や手続きについては変わらず必要です。詳しい手続きにつきましては、税務署や税理士などにご相談下さい。

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編集後記

前回のトウリハウジング通信でも触れました住宅ローン減税に関連して、2023(令和5)年12月に政府と与党は「令和6年度税制改正大綱」を決定しました。

税制改正大綱というのは、翌年度(ここでは令和6年度)以降の増税や減税などの新しい税制措置の内容や検討事項をまとめた文書で、例年秋から与党それぞれの税制調査会が議論を重ねて、12月に与党としてまとめるのが、毎年のだいたいの流れです。政府はこの大綱をもとに税制改正法案を作って、1月に召集される通常国会に提出します。

これによりますと、新築住宅の住宅ローン減税の借入限度額が2024年以降、省エネや耐震性にすぐれた「長期優良住宅・低炭素住宅」は、現在の5000万円から4500万円に、消費エネルギー実質ゼロのZEH水準を満たした住宅は4500万円から3500万円に、省エネ基準に適合した住宅は4000万円から3000万円に上限が引き下げることが予定されていました。

しかし、子供(18才以下の扶養家族)のいる世帯や夫婦のどちらかが39歳以下の世帯に限っては子育て世帯への支援強化のため、上限の引き下げを見送り、2024年については現在の借入限度額と床面積の要件(40㎡)を維持することで住宅取得を税制面から支援することになりました。