違反している不動産広告(不動産広告のルール)

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更新日:2022/04/25

カテゴリー: 不動産の豆知識 | 不動産売却  タグ:  | |

私たち不動産会社が不動産を販売する時には、不動産以外の商品を売るときと同じように、その不動産がいかに魅力的であるかということをポスティングチラシや新聞折り込み、そしてインターネットやSNSを使って広告しています。

しかし不動産広告は、どんな広告を出しても良いのではなく、大きな2つのルールによって制限されています。
1つは法律で定められた「宅地建物取引業法(以下:宅建業法)」
そしてもう1つは「不当景品類および不当表示防止法(景品表示法)」に基づいて、不動産業界が自主的に定めた「不動産の表示に関する公正競争規約(以下:表示規約)」です。

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・宅建業法に定められた広告のルールは、3つあります。

1.誇大広告の禁止
 土地・建物の所在や規模、利用の制限、価格などについて、著しく事実に相違する表示をしてはならないこと。
実際のものよりも極めて優良であるとか、有利であると思わせるような表示を禁止しています。

2.広告開始時期の制限
 建築工事が完成する前の建物は、工事について必要な建築確認などを受けた後でなければ、建物の売買などに関する広告はできません。
「建築条件付き売地」として販売されている広告をご覧になったことがあると思いますが、その中には建築確認を取得中で、新築戸建として販売できない物件も含まれています。そういう物件は、建築確認が取得できたら、新築戸建として販売されます。

3.取引態様の明示
 不動産会社が自ら売主・貸主になる場合と、不動産会社が他の売主・貸主の代理や媒介(仲介)をする場合があります。
土地・建物の広告をするときには、売主や貸主なのか、代理や仲介(媒介)なのか、ということを明示しなければなりません。

以上の3つです。
宅建業法は不動産広告の基本的な禁止事項を決めているだけですが、この宅建業法に違反すると、不動産会社は監督官庁から業務停止のほか、重大な違反の場合には宅建免許の取消しの行政処分まで受けることもあります。

ちなみに、令和元年度に免許取消し処分になったのは全国で109件(うち東京都は36件)で、業務停止処分は32件(うち東京都は15件)、指示処分は57件(うち東京都は23件)ありました。

・もう一つの表示規約は「正しい広告というのは、嘘をつかなければ良いというだけではなく、消費者が不動産を選ぶ時に必要な情報を提供すべき」という立場から不動産広告について、細かいルールが定められています。
例えば、物件から駅や学校などへの所要時間を表示する場合、80mまでが徒歩1分と表示される(端数は切り上げ)のは皆さんご存じだと思いますが、これも表示規約で定められています。また都合の悪い内容を極端に小さい文字にしないように文字の最低の大きさが決まっています。

それから、例えば以下のような特定用語の使用を原則禁止しています。
1.「完ぺきな立地条件」など全く欠けることがないこと
2.「日当たり抜群」など他よりも優位に立つこと
3.「厳選した物件」など一定の基準により選別されたこと
4.「最高の立地」など価格や取引条件に付いて最上級であること
5.「格安物件」「堀出物件」など価格や賃料について著しく安いこと
6.「即日完売」など著しく人気が高く、売行きが良いこと
などです。
しかし、これらの表現は、例えば本当に「完ぺき」で、その内容を裏付ける合理的な根拠がある場合には、使用することができます。

また不当な表示には、いわゆる「おとり広告」もあります。おとり広告には、3つのパターンがあります。
1.実際にそのような物件は存在しないので、取引することができない
2.物件は存在はするが、すでに成約済みなどで取引の対象にならない
3.物件は存在するが、他の物件を勧めるためのおとりで、不動産会社はその物件を取引する気がない

このように故意にルール違反をしている不動産広告が実際にあります。また魅力的な物件を表現しようとするあまり、ルールを無視した広告になっていることもあります。これらの広告違反は、短期的には集客に効果があるのかもしれませんが、長期的にみると不動産業界を信頼できないものにしてしまい、結果私たち自身の首を絞めることになってしまいます。またアットホームやスーモなどインターネット広告に掲載した物件が成約したのに消し忘れることがあります。うっかり忘れてしまうのかもしれませんが、これもおとり広告になってしまいます。知らない間に違反してしまわないよう弊社でも注意しています。

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