トウリハウジング通信 7月号

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カテゴリー: トウリハウジング通信

既存不適格建築物

不動産の売買契約の前に、私たちがご説明する重要事項説明書には「この説明は重要事項説明時点における内容で、将来法令の改正により、制限が付加または緩和されることがあります」というような内容の文が入ることが多くなりました。これは契約した後に不動産に関連する建築基準法やその他の法律が変わることがあるからです。

不動産に関連する法律が変わってしまうと、それまでに建築された建物が現在の法律に適していない建物になってしまうことがあるのです。このようにして現在の法律に適さなくなってしまった建物を「既存不適格建築物」といいます。

この既存不適格は違反建築とは違います。違反建築というのは、建築した時点で建ててはいけない場所に建築したり、決められた建ぺい率や容積率をオーバーしたりするなど、法律に違反している建物ですが、既存不適格建築物は建築するときには適法で、その後法律が変わったために、新しい法律に合わなくなってしまった建物のことです。

既存不適格建築物は、新しい法律に合わなくなったからといっても、すぐに法律に合った建物に改築したり建て替えたりする必要はありません。新しい法律は、その施行と同時に効力を発揮するのですが、原則として将来に向かって適用されるので、法律が施行される前のものには適用されない「法令不遡及の原則」という考えをするからです。

といっても、将来建て替える時にはその時に適した建物を建てなければなりません。変更になった法律の内容によっては、現在建っている既存不適格建築物と同じ大きさや高さの建物が建てられなくなってしまうことだってあります。現在建っている建物と同じ規模の建物が建てられない場合で、住宅ローンを借りる場合、銀行の審査が厳しくなってしまう可能性もあります。購入したときには適法だったのに、その後、法律が変わって既存不適格になってしまったために、その建物を売るときの住宅ローンの審査が厳しくなって売りにくくなるというのは何だか理不尽な気がしますが、法律、特に建築基準法は、建築技術の進歩や自然災害・大きな事故などによって改正されることが多い法律ですので、このようなことが起こることは多いです。

例を挙げますと、1981(昭和56)年5月に改正された建築基準法です。この改正によって建物の耐震基準が大きく変わったことはご存じの方も多いと思います。改正前に建築確認を取得した建物(旧耐震基準)と改正後に建築確認を取得した建物(新耐震基準)と分けて、購入するときや住宅ローンの審査でも区別されることがあります。

他にも、都市計画で用途地域が決められる以前から操業していた工場が、その後そこが住居専用地域に指定されたために、既存不適格になった事例もあります。私たちが取引したマンションでも容積率が決められていなかった時に建築されたマンションが、後から定められた容積率を超過して既存不適格になっていた事例がありました。

また2004(平成16)年に施行された景観法も影響がありました。景観に関連する法律なので、建物の色彩などに制限がかかるのですが、建物の高さにも制限がかけられました。この高さの制限は各行政によって決めることができる条例で、多くの行政が建物の高さの制限を強化した結果、高さの制限を超えた既存不適格建物が一気に増えてしまいました。

それでは既存不適格建築物は実際にどれくらいあるのでしょうか。実はこれが正しく把握できていません。過去に国土交通省が発表した推計では、居住世帯住宅の総ストック4400万戸(戸建2360万戸、共同住宅2040万戸)のうち、耐震性において不適格と推定される住宅は、戸建住宅の51%(1200万戸)、共同住宅の10%(200万戸)あって、非住宅でも事務所建築の31%、店舗の35%、学校の50%が新耐震基準を満たしていないとされています。

また、容積率の既存不適格のマンションも多いです。これも国土交通省の推計によるのですが、東京都内の容積率不適格マンションの割合は、民間のマンションでは1975年以前に建築された建物のうち65%強、1976~1980年築では11%になっています。

これらは推計ですので、もしかすると実際にはもっと多くの既存不適格建築物があるかもしれません。これからも法律の改正や用途地域の変更などによって、既存不適合建築物は増えていくものと考えられます。

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編集後記

少し前から毎朝自宅のまわりで死んだ羽アリを見かけるようになりました。多いときは、玄関を出たところで数匹見かけます。色は黒褐色で羽が付いています。もしかして、自宅がシロアリの被害を受けているのかと心配になってきました。

シロアリというと、多いのはヤマトシロアリかイエシロアリです。

体の色から考えると黒褐色のヤマトシロアリが近いのですが、ヤマトシロアリの羽アリが飛び立つのはゴールデンウイーク前後と聞いたことがあります。今の時期に飛び立つシロアリというと黄褐色のイエシロアリのようなので家の周りで見かける羽アリはシロアリではないかもしれません。それでも土台を食べられてスカスカになっている家を何件も見ているので、心配になって休みの日に床下に入って見たのですが、幸い食べられた跡は見当たりませんでした。

翌日インターネットで調べたら色や形からトビイロケアリのようでした。トビイロケアリはいわゆる黒アリの羽アリで、夜間に大量に結婚飛行をするようです。それでもアリに関しては素人ですし、建物も年数が経っているので防蟻処理をしてもらおうかと考えています。

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