相続した家を売却する時の注意点

公開日:

更新日:2022/01/30

カテゴリー: 不動産売却  タグ:  | | |

不動産を売った時には、譲渡所得(売った金額-売った時にかかった費用-その不動産を買ったときの金額-買った時にかかった費用-基礎控除額)に、所有している期間に応じて決められた税率をかけた譲渡所得税がかかります。

相続した物件(住宅)を売った時にも条件をクリアすれば、居住用財産を売った時のように、この譲渡所得税が控除できる場合があります。

これは『空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例』と言って
今までの居住用財産の特例は、所有者が生活の拠点として利用していた家を売った時に利用できたのですが、相続した空き家を売った時にも、3,000万円の特別控除の特例が使えることになりました。

空き家

この特例を受けるには、いくつかの条件があります。

まず第一に、相続した家が旧耐震基準(※)でそれを耐震改修して売るか、解体して更地で売る、という条件です。

※旧耐震基準の家屋というのは、1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられたです。

築40年ほどの家ということになりますから、立地が良いとか、古民家など特別の価値のある建物でなければ、わざわざ耐震改修で費用をかけて売るより、建物を壊して更地で売る方が多くなると思います。

空き家

しかし、ここで注意しなければならないことがあります。空家を解体してしまうと住宅用地と見做されなくなってしまうため、土地の固定資産税が一気(最大6倍)に跳ね上がってしまいます。

固定資産税が決まるのは毎年1月1日ですので、買って下さる方が見つかっていないのに解体して1月1日を跨いでしまうとその年に課税される固定資産税が高くなってしまいます。

ですから売りに出す時は、更地で引き渡すことを条件にして、買って下さる方が現れてから解体する方が安全です。

固定資産税についていえば、2015年5月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されて、国や地方自治体の空き家対策に本格的に取り組み始めました。

その一つとして、これまで空き家を増やす原因の1つとなってきた固定資産税の住宅用地特例の見直しが行われたのです。

それは今までは空き家であっても建物が建っていれば、その敷地の固定資産税は最大6分の1に軽減されていましたが、今回の見直しで危険な空き家を放置しておくと固定資産税の軽減を受けられないことになったのです。

話は戻りますが、特例を受けるための条件は他にもあります。

・特例を受けられるのは空き家の戸建に限られますので、マンションなどの区分所有建築物は適用外
・相続が発生するまで被相続人(亡くなった方)が1人で住んでいた居住用の家で相続開始によって、空き家になった家
・相続の時から譲渡するまでの間、住居、賃貸、事業などに使われていないこと
・売った価格が1億円以下であることです。

なお、この特例が利用できるのは2013年1月2日以降に相続が発生して、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡したものに限られています

空き家

条件がたくさんあって、厳しいとお考えになるかもしれませんが、3,000万円控除できるとできないとでは、税金が大きく異なりますので、利用してください。

不動産売却の相談窓口